先日の記事では、
「〇〇してはいけない」という禁止令
13項目ご紹介させていただきました。

子供は成長する過程で、
大前提として命を守るために、
社会で問題なく生きていけるように、

親から「〇〇していけない」という
あらゆるルールを学んでいきますよね。

ですがそれが誤解も含め、間違った形で
伝わり、子供を苦しめるように
なってしまうのが禁止令です。

それと反対に、
「〇〇しなくてはならない」という
親が子供に伝えていく生き方の価値観、
信念のようなものがドライバーです。

はじめに禁止令が身につきはじめ、
徐々に「ドライバー」が身につき始めるようになります。

親が子供の身を守るために、禁止令同様、
育成過程では様々なことを教えて
いかなくてはいけないですよね。

ですがその中で、その中で強迫観念に近い形で
強く「こうしなくてはいけない」というルールを持ち、
大人になってからもそれに突き動かされるように
そのルールに従い生きていくようになるのです。

禁止令のところでも説明したことと重複しますが、
親から受けた教えには、直接的な言葉以外のもの、
つまり非言語的なコミュニケーションも含まれます。

なので親がそういうつもりがなかったとしても、
子供には定着している…

そのようなことが多々あります。

誤解も含め、そのモヤモヤが解消されないまま
大人になってしまうと、成長過程でさらにその
信念を強めていってしまいます。

自分では理由もわからず、

どうしてそうなってしまうのか
よくわからないまま、その信念に突き動かされ続けます。

大人になり、その強い思いや念を手放そうと、
わかっていてもできなくなってしまう、
という現象が起きてきます。

ですが自分がどんな状態なのかわからないままでは
解決法もわからずもがくようになってしまうのです。

その子供を縛り続ける「禁止令」「ドライバー」

「禁止令」「ドライバー」この2つが
その子供の「信念」となり、
その後の人生に深く関わってくるようになります。

「〇〇してはいけない」13の禁止令

一見すると、「〇〇してはいけない」禁止令と
「〇〇しなくてはいけない」ドライバー、
この2つ、矛盾していますよね。

この矛盾した二つを同時に抱えていくようになると、
例えば

「存在してはいけない」
「誰かを喜ばせなければいけない」があわさり

「誰かを喜ばせれば存在してもいい!」

という思考回路になります。

先程も申し上げたように、
成長過程でケアされないまま年月を過ごしてしまうと、
禁止令もドライバーも強化されていきます。

そしてより極端な行動パターンを
繰り返していくようになるのです。

ドライバーも、禁止令、インナーチャイルド同様、
ひとつだけとは限らず、複数をそれぞれ強く
抱えてしまうことが多いです。

わたし自身も自分で気づかなかっただけで、
たくさんの信念に突き動かされていました。

5パターンのドライバー

1.完璧タイプ

このドライバーを持つ人は、

「ちゃんと完璧にやりなさい」

という信念を持つようになります。

親や育成者から
「ちゃんとやりなさい、しっかりやりなさい」
といった風に厳しく言われる機会が多いと、
子供はストイックに完璧さを求めるようになります。

「〇〇するまでは」と自分に厳しい目標を課し、
立ち止まることなく次々と何かを始めたり、
楽しむことを自分に許しません。

見捨てられ不安を抱えやすく、
その気持ちを埋めようと頑張るのですが、
ある程度の地点に達すると一気に虚無感に襲われたり
見えない完璧を追い求め続けるようになってしまいます。

「私がしっかりとやっていれば、
ちゃんとしていれば愛してもらえる」

「愛されて、嫌われないようにするためには
しっかり、ちゃんとできるようにならなくてはいけない」

このような信念を持ちやすくなり、
成長過程のあらゆる出来事でこの価値観を
より強めていくようになります。

実は私はこの完璧タイプで、
思春期の頃からかなり強い完璧主義を持っていました。

いつも「周りにどう思われるか」ということを
とても気にしており、そのため仕事選びやステップアップに
選ぶものは、いわゆる「エリート感」が強いものや、

周りに「すごいね!」と言ってもらえるような
「わかりやすいすごさ」というものに
かなり執着していました。

「もっと頑張らなくてはいけない」

「親に、周りに認めて、受け入れてもらうためには
なんでもできる、完璧な娘でなくてはいけない…」

こんな風に強い強迫観念を持ち続けていました。

でもどんなに頑張っても、いつまでたっても
満足感を感じられるようになれません。

できていることの方がたくさんあるのに、
できていないことにばかりフォーカスし、
「もっと、もっと」と自分をより追い込み続けます。

そして無茶な頑張りをひたすら続けていき、
とうとう身も心も壊れてしまいました。

結果としてそれが心理学を勉強する
大きなきっかけになってくれたのですが…

挫折した瞬間の私は、
「なんでこんなこともできないの!!!」と
強い絶望感を抱え、ものすごい自己嫌悪の塊でした。

今はインナーチャイルドとそれにまつわる
禁止令、ドライバーなどあらゆるものを学び
自分を正しく知ることができたおかげで、
こういったことからは全て解放されています。

2.我慢タイプ

このドライバーを持つ人は、

「泣くのはやめなさい、
我慢しなさい(弱音を吐いてはいけない)」

という信念を持つようになります。

親や育成者から
「泣くのはやめなさい。
我慢しなさい。強くなりなさい。」
といった風に厳しく言われる機会が多いと、
自分の正直な感情を外に出すことができなくなり、
ひたすら我慢するようになってしまいます。

「悲しくても、不安や心配で怖くても、
やりたくなくても、泣いたり我慢ができなかったら
お母さんに嫌われてしまう!!」

「私が愛されて嫌われないためには、
泣かずに我慢すればいいのだ!」

こんな風に、泣きたくても
我慢をするようになってしまいます。

以前ご紹介した「13の禁止令」の中に
「感じるな」というものがあります。

この我慢タイプを持つ人は、同時に
「感じるな」の禁止令も持ち合わせやすくなります。

禁止令の紹介の時に書かせていただきましたが、
このような「泣く」「怒る」「怖がる」といった
人間の基本的な感情を表現することを否定され続けると
だんだんと自分の本当の感情がわからなくなってしまいます。

そして感情を別の感情にすり替えて
自分を誤魔化すようになってしまったり、
ネガティブな感情を持った時、
自分を責めるようになってしまいます。

私は先程ご紹介した「完璧タイプ」と同様
この「我慢タイプ」も同じくらい強く
持ち続けていました。

いつも

「自分のネガティブな感情は外に出してはいけない」
「泣いたり誰かに頼ってはいけない」

こんな価値観を強く持ち続けており、
いつもかなり気を張っていた記憶があります。

3.努力タイプ

このドライバーを持つ人は

「頑張りなさい、努力しなさい(一生懸命やりなさい)」

このような信念を持つようになります。

親や育成者から
「頑張らなくてはいけない、
努力しなさい。一生懸命やりなさい。」
このように言われる機会が多く、

「頑張ったね!」と褒めてもらえる機会が
少なかったりすると、持ちやすくなります。

「私は辛くても、やりたくなくても
一生懸命やらなきゃいけない!」

「一生懸命やらなくては愛してもらえない」

こんな風に考えるようになり、
「いつもこうしているから」と、自身の体調など
状態が悪くても無理やり頑張るようになってしまったり

努力が実ることに拒否反応を示すように
なってしまったり、反対に頑張っているアピールを
するようになってしまいます。

自虐的な努力を続けるようになり、
身も心もボロボロにしていくようになります。

4.他人のためにタイプ

このドライバーを持つ人は、

「人に喜んでもらいなさい、
人に尽くしなさい(他人の犠牲になりなさい)」

このような信念を持っています。

親や育成者から
「他人に良い評価をもらえるようにしなさい。
人が喜ぶことをしなさい、喜んでもらいなさい。」
このように言われる機会が多いと育ちやすく、
自己犠牲的に他人に尽くすようになります。

「自分を優先してしまうと
お母さんに嫌われて見捨てられてしまう!」

「私が愛されるようになるためには、
人のために生きていればいいのだ!」

自分が本当に欲しいものは手に入れない、
まず何より自分より他人、的な
行動パターンをとります。

そうして、誰かが喜んでくれているのを見て
自分の存在価値を感じ、よりその行動パターンを
強めていくようになります。

ということは逆に、
自分が他人に喜んでもらえると思い、
良かれと思ってやったことに対して
そこまで喜んでもらえなかったり感謝をされないと

強い怒りや絶望を感じやすく、自分を責めたり
相手を責めるようになります。

5.急げ!タイプ

このドライバーを持つ人は、

「早くやりなさい。急ぎなさい。」

このような信念を持っています。

親や育成者から
「急いでやらないと遅れて人に迷惑をかけるわよ!
早くやらなきゃ、急がなきゃ」といったような
言葉をかけられる機会が多いと育ちやすく、

自分だけで泣く周りも急かすようになってしまったり、
早く答えを知りたがるようになったりします。

「とにかく早くやらないとお母さんに嫌われてしまう」

「急いで早くできれば、周りの人に認めてもらえる!」

こんな風にいつも焦っています。

ですが、早いということは必ずしも
毎回丁寧である、ということにはならないですよね。

早く仕事を終わらすけど、いつも雑…
このような状態を頻繁に作り、周りからの信用を
無くしてしまい、孤立してしまう…そんなこともあります。

まずは自分の状態に「気づく」こと。

ドライバーも禁止令同様、
診断を受けていただくことで、
ご自身がどの種類のドライバーを持ち、

それがどのくらい強いのか傾向を調べることができます。

漠然と自分がどのドライバーを持っているか、
今回の記事を読んでいただいたことにより
なんとなく気づいている方もいらっしゃると思います。

ですが大体無意識にそのドライバーに突き動かされた
行動パターンを取っていることが多いので、
まずはご自身がどんな状態なのかを知ることがとても大切です。

まずは「気づく」こと。それが解決のための大きな一歩となります。