突然ですが、皆さんは
「メラビアンの法則」というものを
ご存知でしょうか?


最近はビジネスシーンでも
聞くことが多くなりました。

人間はコミュニケーションを取る際、
実際に発される言葉自体の意味以外に、

「声のトーン、ニュアンス、テンポ、ボリューム」
「顔の表情」「仕草」

こういった非言語の要素からも
相手の心情や伝えたいことを理解しようとしますよね。

このメラビアンの法則では、
これらの非言語的な要素が、
実際に発される言語よりも相手に与える情報量があり、なんと全体の93%にもなるというものです。

(正直私はそこまで???と思っています。
ですが参考までにご紹介です。)

実際に、私たちも子供時代、
両親を含め周りの大人たちの

非言語的な要素から色々なことを
読み取って育ちましたし、

今でも社会の中で無意識的に
こういったことを気にしながら
コミュニケーションをとっていますよね。

このように非言語的な要素が
相手に与える影響が多いということは、
幼少期に親との関わりの中で、

「お母さんからハッキリと
言われたわけではないけど、
私は〇〇をしていけないのだと思う」

という価値観が身につく可能性も十分にありますよね。

過去の他の記事で何度か、
インナーチャイルドについて
解説をさせていただきました。

インナーチャイルドを持つ人は、

「直接言われたかはわからない…けど、
私は〇〇をしてはいけないのだ」

親との関わりの中で、そのコミュニケーションが
非言語かどうかに関わらず、
このように自分の中に

「〇〇するな」というルールを持つようになります。

今回は、その13個ある「禁止令」について
解説させていただきますね。

禁止令は性質上、強い命令です。
診断をすることにより、ご自身が
どれをどの程度強く抱えているのか調べることができますが、

命令自体が強いものなので、
少しショッキングな内容となりますのでご了承ください。

13の禁止令

1.「存在するな」

この禁止令を受け取った子供は、
自分を認めて欲しい気持ちを
抱きやすいと言われています。

他の人に比べ、
自己承認の欲求を満たすことが
できない場合には苦しみを感じやすく、
承認してもらえないなら自分には
価値がないと思うようになります。

自分が役に立たないときに罪の意識を感じたり、
消えてしまいたいという気持ちにとらわれたり、
自分への興味を失っているような生き方をします。

自分自身を壊してしまうこともあります。

これを持つ子供が執着することは、
「自己承認の欲求」であり、

「私が嫌われていないことを確認したい」

という状態になります。

反対に、
「自己存在意義」を拒否し、

「どうせ人生はうまくいかない」

という思考も持つようになってしまいます。

この禁止令を持つ人がそのまま大人になってしまうと…

・自己存在意義(アイデンティティ)を持たずに生きる。

・自分で自分の人生を選択、決定しようとしない。

・自分自身を軽んじる、生きた証を遺そうとしない。

・自分が苦しむよう追い込む、放置するようになる。

このような特徴を持つようになってしまいます。
確かに、自分の人生に対し、積極的ではなく、
他人事のような感じになってしまう方、います。

きちんと、愛情を与えてくれる人がいるのだと
いうことを再確認する必要があるということですね。


2.「お前であるな」

この禁止令を受け取った子供は、
別の性になりたがったり、
自分の外見を変えたくなる傾向があります。

極端なダイエットや整形で外見を変えたくなる、
性転換、あるいは性同一性障害のように、
自分の性や個性を改造して
別の自分になることを望みます。

ありのままの自分を愛してもらえない場合、
外見を変えることで認めてもらえると
思うようになります。

この子供が執着することは

「別な人間に生まれたかった」という

「変身願望」で、

「個性の受容」を拒否

「どうせありのままの自分でいても幸せにはなれない」

というような
考え方になってしまいます。

このパターンの人がそのまま大人になってしまうと

・自分のせいに違和感を覚える、
性転換、異性的な振る舞い

・極端なダイエットや美容整形

・極端なボディピアス、
極端なタトゥーなど外見を変化させる。

・人目を引くファッションや
コスチュームなどを日常的に身につける。
 

ある特定部分に対しての劣等感を抱くようになります。


3.「子供であるな」

この禁止令を受け取った子供は、
甘えることができなかったり、周囲を助けたり、
子供なのに大人のように振舞い成長したと言われます。

大人しくいて、親に迷惑をかけない子供や
親の助けになって役に立つ子供は、
親にとってはありがたい存在ですよね。

大人のように振る舞うことにより、
周りからも「しっかりしてるね」と褒められ、
かつそれは子供にとっても嬉しい評価なので
ますますこの禁止令が強化されていきます。

この禁止令を持つ子供が執着することは、
「大人のように振る舞うこと」です。

「私は大人のような存在でいなくてはならない」

という価値観を持ち、
反対に「人に甘えること」を拒否

「子供っぽく振る舞うことなんてできない」

と思うようになります。

このパターンの人がそのまま大人になってしまうと

・人のために自分を犠牲にしてしまう
・感情より理性で振る舞う
・賢く振る舞おうとする、失敗を恐れる
・子供っぽい行動をする人を軽蔑する

このように、良い子であろうとするようになります。


4.「成長するな」

この禁止令を受け取った子供は、
大人になって家を離れたり、
親から離れていかないように
若い頃のひとり暮らしを禁じられたりします。

親が厳格すぎたり、子供が自立して
親の世界から出ていくことを禁じる傾向があります。

なので、子供はいつか自立して
親元を離れることや、一人で生きていく決断を
しにくいまま成長していきます。
誰か、もしくは何かの庇護を
求めやすい大人になる可能性もあります。

この子供が執着してしまうことは

「私をひとりにしないで」そして

「自分を保護してくれる誰か他の人」です。

反対に、「自立した思考・行動をとること」を拒否し、
自分が決めたことには自信が持てません。

このパターンの人が大人になると

・チャンスが訪れてもチャレンジしない
・決めることを恐れる
・自立することを先延ばしにする
・親が老いる頃に不安が押し寄せてくる
・成人すぎても親や親戚との距離が近すぎる

責任感が希薄になってしまい、
親のような役割のパートナーを求めるようになります。


5.「成功するな」

この禁止令を受け取った子供は、
才能を発揮して世の中に認められたり、
素晴らしい評価をもらえるように
チャレンジすることを推奨されません。

「あなたには難しいから」
「あなたには無理よ」
「あなたにはできないと思う」

など、子供の能力やチャレンジを
歓迎しない傾向があります。

やりたかったらやっても良いけど、
お母さんは賛成しない、のような
ニュアンスでも伝わることもあります。

この子供が執着してしまうことは、

「私なんてダメな人間ですから…」

謙遜をし、人目につかないようになります。

そして、

「私がやってもどうせ上手くいかない…」

と、目立つような行動を拒否するようになります。

この子供がそのまま大人になると

・積み重ねてきたキャリアを途中で諦める
・土壇場で失敗をする
・諦め、無気力
・目標を持たない

このように、成功することに対して
恐怖を感じ、それを避けるようになってしまいます。


6.「やるな」

この禁止令を受け取った子供は、
行動することに懸念を感じるようになり、
行動するための決断や準備など、
行動を決定して実行することが苦手になります。

決断しなければ準備ができず、
準備ができないと実行することもできないので、
決断する段階で先延ばしにするように。

仮に決断しても、その決断に自信が持てず
準備も気が乗らないのでスムーズに進みません。

自分のやろうとしたことを
否定される機会が多い中で育ってしまうと、
この禁止令を持ちやすくなります。

この子供が執着することは、
「安全な状態で居られること」です。

「失敗するかもしれないから、
やらないほうが安全に違いない」

このように考えるようになります。

そして反対に、
「思い切ったチャレンジ」を拒否するようになり

「チャレンジして失敗するのは絶対に嫌だ」

という価値観を持ちやすくなります。

この子供がそのまま大人になってしまうと

・決断を恐れて先延ばしにする
・失敗を恐れて先延ばしにする
・やらないで済むように現実から逃避する
・誰かに代わりにやってほしいと思うように

このように、極端に用心深くなったり
心配性になってしまいます。


7.重要であるな

この禁止令を受け取った子供は、
リーダー役を避けたり、他人や大人数の前で
自分の意見を話すことに対して、
過度に緊張する傾向にあります。

自分の考えなど重要ではない、
と思い、自己主張することが苦手です。

また、責任や負担がかかる状況になると、
ストレスを人一倍感じて苦しみ、
逃れようとする傾向にあります。

この子供が執着することは、
「指示や承認を求めること」であり、

「私は自信がありません。
どうすれば良いか教えてください。」

このような言動をとりやすくなります。

「言われた通りにしなさい」
「遠慮しなさい」のように、
自我を押さえ込まれたり、控えめな言動を
強いられることで、身につきやすくなります。

この子供がそのまま大人になってしまうと…

・重要な決定事項を先延ばしにする。
・重要な決定事項を他人に決めてもらう
・責任を逃れる
・自分で考えることが苦手
・リーダーシップを取ることが苦手

このような特徴を持ちやすくなります。

他の禁止令を持つ方も同様ですが、
この方は特に、その人の人生において、
何が重要なのか、誰が重要なのかを
自分の重要性を理解してくれている人が
誰なのか、を知っておく必要があります。


8.属するな

この禁止令を持つ子供は、
グループに属することに
ストレスを感じる傾向があります。

グループが嫌い、他人に気を遣う、
恥ずかしい、など理由は様々です。

親自身がグループや集団に属することが
困難だったり苦手な場合も、子供に
集団活動の方法を伝えることができません。
他人の視線を恐れることもあります。

「我が家とよその家は違う」
このような言葉が影響力を持ちます。

この子供が執着することは、

「どちらかといえば一人の方が気が楽。
他の人に気を使うし、気恥ずかしいと思う。」

このような価値観です。
集団の中にリラックスして馴染むことが苦手な為、
他人や集団に緊張するようになります。

反対に、

「集団に馴染み、
グループの中にいる安心感を得ること、
自分を恥ずかしくないと信じること」
を拒否し、

「集団に早く溶け込むことは苦手。
他人とすぐに親しくなるのは何だか不安だ。
自分が何だか恥ずかしい。」

このような価値観を持ちやすくなります。

この子供がそのまま大人になってしまうと…

・集団を恐れる
・集団の中で疎外感を感じる
・集団の中であえて目立つ(浮く)ように振る舞う
・他人が自分を特別視していると感じる傾向がある
・他人の前で羞恥心を感じる、引っ込み思案になる

転職の回数が多くなるのも、
この禁止令を持つ人の特徴でもあります。


9.近づくな(信じるな)

この禁止令を持つ子供は、
親自身が子供を身近に置かないようにします。

子供は身近に愛着をくれる人がいないので、
自分の感情を他人に話して精神的に近づくことや、
他人との体の接触の仕方を学ぶ機会のないまま成長します。

態度が表面的になり、他人と親密になることに
恐れを感じる傾向があります。

いつか見捨てられるから…と
傷つく前に別れるようになったり、
社会的地位、年収を基準に人を選んだり、

見捨てられ不安から急に相手を嫌いになったり、
不適切な距離感を持つようになります。

この禁止令を持つ子供は、

「人と関わると裏切られるかも
しれないと思ってしまう」

と思い、人への警戒心を持つようになります。

そして同時に、人を信じることを拒否し、

「人に近づくこと、人が寄ってくると緊張」

するようになります。

この子供がそのまま大人になってしまうと…

・他人と親しくなることを恐れる
・他人に触れられることを恐れる
・他人に触れることを恐れる
・他人を疑う

このような特徴を持ちやすくなり、
特にパートナーシップや1対1の人間関係で
この傾向が出やすくなります。


10.健康であるな(正気であるな)

この禁止令を持つ子供は、
学生生活、人間関係や仕事などの社会生活で
苦痛を感じると体の具合が悪くなったり、

精神的に落ち込んで病気を重症化して
しまうことを無意識に行ってしまいます。

例えば忙しい両親が、自分が病気の時には
献身的に面倒を見てくれた…とか、
病気になったことでメリットを得られると
この禁止令を持ちやすくなります。

「正気であるな」は、親が精神疾患である場合、
その人物に似ていると暗示を受けた時に
この禁止令が強化されることがあります。

この禁止令を持つ子供は、
自分は弱いと思い込むこと、に執着し、

「〇〇が痛む気がする。病気かもしれない…」

このような魔術的思い込みをもつようになり、

「他の人みたいに元気になれない」と、

健康であることを拒否するようになります。

この子供がそのまま大人になってしまうと…

・どこか体の具合が悪い、なんとなくやる気が起こらない
・大切な時に、体の具合が悪くなる
・大切な時に、気持ちが不安定になる
・小さな病気(怪我)をよくしており、それを笑いながら報告する

土壇場になると逃げてしまったり、
大切な日に限ってこなかったり…
そんな傾向も持ち合わせます。


11.考えるな

この禁止令を持つ子供は、
物事をじっくりと考えること、
計画性を持つことを苦手とする傾向があります。

子供が何かに興味を持ち、
親に尋ねた時に親がその対象について
「そのことに興味を持つな」という
禁止を与えたりすると、この禁止令は育ちます。

子供は自分が何かに興味を持ったり、
深く考えても仕方がないのだ
(考えない方がいいのだ)と感じるようになります。

この禁止令を持つ子供は、

「直感が大事!」

といった価値観に執着するようになり、
考えないように、思いつくままに行動するようになります。

そして、「深く考えて慎重に
選択するよう熟考すること」を拒否し、

「考えても仕方ない。考えていると迷いが出てしまう。」

このような価値観を持ちやすくなります。

この子供がそのまま大人になってしまうと…

・無計画
・思いつき的な行き当たりばったりな行動をとる
・決めたことが長く続かない
・考えようとすると、混乱して疲れてしまう
・感情のまま行動する

考えを聞くと、感情を答えるようになったり、
特に感情に基づく行動パターンが多くなるようです。


12.感じるな

この禁止令を持つ子供は、
感情に向き合うことを禁じられてしまいます。

主に
「泣くな」「怒るな」「怖がるな」
といったものです。

親が子供をなだめたり、
慰めることが面倒だったり、
疲れてしまって面倒な場合や

子供が感情を表すことで、周囲から
躾をしていないことを指摘されるのを恐れる場合に
子供の「泣く」「怒る」「怖がる」
いずれかの感情を特に禁止することがあります。

この禁止令を持った子供は、
自分の感情を抑えることに執着するようになり、

「嫌な気分を感じても、
できる限り表現しない方がいい」

このような価値観を持つようになります。

そして反対に、自分の感情を
素直に表現することを拒否するようになり、

「人前で泣いたり、怒ったりする自分はよくない」

という価値観を持ち合わせるようになります。

この子供がそのまま大人になってしまうと…

・本物の感情を別の感情にすり替えるようになる。
・全ての感情を否定された場合は、自分の感情がわからなくなる
・自分の感情を否定するようになる
・悲しい時に泣けない
・悲しい時、怖い時、苦しい時に笑う
・怒りを感じると笑う、感じないようにする
・楽しいと思うと、なんとなく罪の意識を感じる
・楽しくても笑えない
・感情を他人に向けて表現することに緊張する

特にこの一番最初の

「本物の感情を別の感情にすり替えるようになる。」

親に感情を禁じられた時、
子供は別の感情にすり替えて、
なんとか自分を落ち着かせようとします。

ですがこれでは全く根本的な解決になりませんよね。

これを繰り返していくことにより
だんだんと感覚が麻痺し、自分の素直な感情がわからなくなり、
常に不安定な精神状態になっていってしまいます。


13.欲しがるな

この禁止令を持つ子供は、自分の中に
何かの欲求があらわれた時に嫌な気分を感じます。

その欲求が消えるまで苦しむので、
それほど欲しくないものでも手に入れれば
欲求に苦しまなくて済むため、
手に入れようとする場合もあります。

ですが、手に入れてから急に気持ちが冷めてしまったり、
どうでもよくなることもあります。

また、欲求を罪悪と思う人もいます。
禁欲することで、欲求したものを遠ざけようとします。
「我慢は美徳」といったような価値観を
親から受け続けてしまうと影響を受けやすいです。

この禁止令を持つ子供は、

「買うのをやめようか、
今これを買っても良いのだろうか…」

と、買い物する時に迷いためらうようになったり、
「周りはどう思うだろうか?」を気にします。

そして、

「欲しがることは罪悪だ」

と、欲しいものを欲望のままに手に入れたい気持ちを
拒否するようになります。

この子供がそのまま大人になってしまうと…

・欲求を持たないようにする。
・もの、またはお金を失うことを恐れる
・極端な倹約、節約、禁欲的になる
・大きな買い物をする時に、過剰に慎重になり買うことが怖くなる
・欲しいものがあっても、手に入れることを恐れる
・自分にとって手に入らないものに近づく
(手に入れないことで欲求を無理に終わらせようとする)
・買い物をした後、罪悪感、不快な感情が湧いてくる

本当に欲しいものではないものを手に入れる、
など、矛盾した行動も典型的な特徴です。
そして、手に入れるまではとても執着していても、
手に入れた瞬間に一気に興味を失ってしまったりします。

まずは、あなたがどんな禁止令を持っているのかを知ること。

長くなりましたが、ここまでいかがでしたでしょうか?

最初にも申し上げたように、
インナーチャイルドを持つ人は、この13つの禁止令のどれか、
もしくはいくつかを同時に持ち合わせていることがほとんどです。

そして、かなり強い命令を自分に対して課しているのに、
そのことに気づいておらず、無意識に続けてしまっていることが
とても多いです。

私自身もそうでしたが、
診断を受けてはじめて、自分が自分に対して
不必要なルールを、強迫観念に近い形で
持ち続けていたことを知ることができました。

そしてインナーチャイルド同様、

「なぜこの禁止令が作られてしまうのか」

ということを同時に学んだことより、

自身の過去の人生の中から、
その原因となった出来事を見つけ出すことが
できるようになったのです。

子供の頃の自分は、親の言動に対して
善悪の判断をすることができません。

理由がよくわからないまま、
自分の感情を押さえ込み、我慢し、
わからないなりに上手くいく方法を模索します。

ですが、大体間違った頑張り方を選んでしまいます。

そうして自分に、

「〇〇してはいけない」

といったルールを課すようになるのです。

そしてそれは無意識に、
大人になった今も引き継がれてしまいます。

まずは自分がどんな状態なのか知ること、気づくこと。

それが解決のための大きな一歩となります。